ラードの海に溺れて

めし、酒、本、映画

2021-01-01から1年間の記事一覧

夜と霧を抜けて

思考が鈍麻し、暗闇の中に身を置くしかなかった頃から一転、環境が大きく変わった。 率直に言って生活レベルはいくらか落ちた。都心から転出して別の場所に居を構えたが、これがまた目も当てられない場所だ。これについてはまた更にここから引越したら話そう…

備忘録 8/19 COVID-19

やられた。罹患した。 備忘録としてこれを書く。今の意識はあるし発話はできる。 横になると痰で喋るのがつらくなるので身体を起こしている。 8/8にファイザーのコミナティ筋注を1回摂取済み。8/29に再接種控えていた 最初の自覚症状は痰の絡み。咳払いを何…

地縛霊

今日8月2日付で、会社を休職した。 理由を端的に言えば、心身のバランスを崩した。 もともと人間の心身なんてものは自転車操業で、一度コケたら膝擦りむいたり頭打ったり、あるいは自転車の車輪が歪んだり、乗り直そうと思ってもなかなか取り戻せない。 それ…

あだ名は先生

高校生の時のあだ名は「先生」だった。 下から数えた方がちょっぴり早いくらいの県立高校はまあまあ荒れていて、バルコニーで煙草を吸う同級生の常喫銘柄もそれなりにバリエーションがあった。世界観としてはマイルドなごくせんだ。私と同じ苗字で平野綾似の…

トリスウイスキーのロック

ルバイヤートという、ペルシアの四行詩集がある。 11世紀に、オマル・ハイヤームというペルシア人の男が自費出版で出した詩集だ。古本屋のワゴンセールで投げ売りされていたものをフィッツジェラルドが見出して、そしてそれがイギリス近代文学に影響を及ぼし…

誠実さ(としか呼んでくれない何か)について

このブログに投下したエントリは13しかないんだそうだ。 このエントリも含めても14にしかならない。3年もやっているのにね。 デュワーズ12年を飲みながら、ピース缶を吸いながらひとりぼんやりと壁を眺めていた。別に壁の模様が顔に見えてくるということもな…

喫煙後10年

今から書くことには、どうか目を瞑っていてほしい。 煙草を吸い始めた日付はなんとなく覚えている。確か3月12日だった。 その前日、ららぽーと横浜にあったJINSに眼鏡を受け取りに行っていた。自分が眼鏡をかけ始めたのはちょうどその日だった。身長は177cm…

または私は如何にして(貯金の)心配するのを止めて…を愛するようになったか

メスカル、という蒸留酒がある。 端的に言えば、竜舌蘭…サボテンの花から作られる蒸留酒だ。言ってしまえばテキーラのことを指す。厳密に言えばメスカルというジャンルの中にテキーラがある。シャンパーニュ地方で、法律で決まった製法で作られるスパークリ…

解像度(あるいは半可者の挽歌)

また職が変わった。 それまでは客先から委託を受けて無形商材を売る営業代行だった。会社で抱えているプロジェクトは様々だが、私が担当していたのは某IT企業での新規営業だった。不調だった時期はあるが、上司にも同僚にも恵まれていた。向こう三年は辞める…